100年の歴史を持つ女性だけで構成された紅華歌劇団、そのスターを育成する紅華音楽学校で繰り広げられる青春スポ根ミュージカル漫画。
スターシステムを採用している劇団であるからこそ、全員が主役級に魅力的なキャラクターが揃っている。今回は主人公の奈良田愛にスポットを当てていく。
舞台が最終章ということで再読しました。
少女漫画のように可憐で、少年漫画のように熱い物語
描き下ろしのスピンオフで深まるキャラの解像度
贔屓にしたい役者が必ず見つかる
こんな人におすすめ!
☑少女漫画を読んだことがない人!
☑女の子の可憐で熱い物語が読みたい人!
☑宝塚歌劇団をモチーフにした珍しい漫画を読みたい人!
感想
東大に並ぶ入学難易度を誇る紅華音楽学校に合格しながらも、表情がない・夢がない・他人に興味がないの3拍子揃った元アイドルの奈良田愛。綾波レイをイメージしてもらえれば想像しやすく、常にATフィールド全開だ。
不快感と嫌悪感で満たされた、語るもおぞましい過去の経験から愛は男性を嫌悪し、女性しかいない紅華音楽学校に入学したのである。
女子だけの世界で落ち着ける、と思ったのだが渡辺さらさという変人に目を付けられる。愛は何度拒絶しても近づいてくるさらさに辟易していた。
しかし転機が訪れる。愛が男性に絡まれた時、颯爽とさらさが助けに来た。さらさに自分の嫌な忘れられない過去をどうすればいいのか、その回答にトゥンクし始める愛。熱く厳しい物語がこれから始まるのだが、ここはすごく少女漫画している(女同士だけど)。
ロミオとジュリエットのオーディション
恋どころか人付き合いすらまともにできない愛にとって、恋にときめくジュリエットを演じるのは至難である。
そして、恋について考えても何も理解できずオーディションを迎えてしまった。
ぐるぐると自問自答を続けていく中で見えてきたのはさらさとの思い出!
他人を拒絶していた愛がさらさと仲良くなり、他人と向き合えるようになったからこそできた演技であり、自分を変えようとした集大成に心を揺さぶられた!
土壇場で演技を完成させる展開にハラハラさせられるし、いつも無表情の愛が涙を流しながら恋するジュリエットを演じる姿に涙腺崩壊!
オルフェウスとエウリュディケ
愛はさらさの代役をしたことをきっかけに男役に挑戦する。4人グループの演技に連携が必要だが、本番でさらさは周りが見えなくなり、1人よがりの演技を始める。暴走っぷりはエヴァンゲリオン3号機を彷彿とさせる。
共演者が見えなくなるさらさの暴走が始まったのは愛との掛け合い。愛のセリフが聞こえていないさらさ。止められないと全員の演技が死んでしまう展開に手汗がにじむ。
暴走するさらさを引き戻す愛は初期のさらさと愛を思い出させる。
愛の誰からも心を閉ざして耳を塞いでいるような状況をさらさはぶち壊した。
愛は自分だけの世界に籠って演技をするさらさに手を伸ばしてぶち壊した。
出会ったころ、さらさが心の壁を壊して愛を引き寄せたのと同様、愛がさらさの意識を覚まして引き戻した。愛とさらさの絆がわかるシーンに感動!
スピンオフ
本編だけでは描ききれないキャラクターの過去が読める。登場回数が少なく、印象が薄かったキャラを一気に好きになったりする。本科生編で登場する予科生なんてまさにそう。
お気に入りはアニメでも話題だった薫の甘くて切ない恋物語と、冬組トップ・里美星の挫折とファントムへの恋心。



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