嫉妬探偵の蛇谷さん1

ラノベ

 部活や委員会に強制参加ということで、先生から園芸部を勧められて1週間、野水は蛇谷さんの本性を知った。

「妬ましい」

 蛇谷さんはありとあらゆるものに嫉妬する。人気者なところ、恋人がいること、果ては花にまで嫉妬する。

 そんな彼女でも謎は好き。理由は―

「悪者がどんどん追い詰められていくのよ? そして悪者にはどんな責めを施してもいい。だってそいつが悪いのだから。徐々に本人の首を真綿で絞めていく。そんな方法なんて他にある?」

 蛇谷さんの謎解きという知的な拷問が始まる。

推理もラブコメも原動力は嫉妬

蛇谷さんがチョロ可愛い

☑謎解きを楽しみたい!

☑真実を暴かれる犯人の没落ぶりを見たい!

☑尖って個性的、だけどチョロ可愛いヒロインが見たい!

犯行の動機も嫉妬

 蛇谷さんが推理する動機も嫉妬だが、犯人の動機も嫉妬である。元カレとは二人乗りしてたのに、優秀な姉との確執、いつのまにか自立して頼ってもらえなくなった喪失感。

 嫉妬をもとに作り上げられたトリックを、手がかりを1つずつ繋げながら犯人が明かされる展開は読んでて気持ちがいい。

 嫉妬って厄介だ。プライドが踏みにじられて生まれたり、好きだからこそ生まれたり、勝手に比較されて生まれたり、どんなところでも出てきてしまう感情。

 肥大化しすぎれば自分も他人も傷つけてしまう。

 この作品は根深い嫉妬という感情を時にコミカルに、時に陰湿に、時に激しく描いている。

嫉妬しかしないヒロイン

 雑草を見て和むヒロインは初めて見た。踏まれる存在なのに懸命に生きている姿が惨めで好きとのこと。

 あらゆる人間の長所を見ては嫉妬し、野水が他の女子といると嫉妬する。

 蛇谷さんが野水のことで嫉妬するのは微笑ましいが、他人を妬ましく思うのは自分を守るためであり、姉との辛い過去があってのこと。

 野水には思ったことがすべて顔に出てしまうという特徴があるが、嘘が付けない彼だからこそ蛇谷さんの心を開くことができ、最高の相性でラブコメができるのだろう。

 2人のカップリングを推す渋沢さんに大共感!

 ★★★★★★★☆☆☆7/10

 ミステリーと思って読むとトリックに物足りなさを感じる。蛇谷さんと野水の掛け合いや互いの過去など、謎解き要素よりもラブコメ・人間ドラマの部分が面白かった。

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